アメリカの20代女性がまつげエクステの施術で失明、最終的に眼球摘出に至る事故が発生した。激痛から始まった症状は、その後深刻な事態へと発展していった。
英メディア・ザ・サンなどによると、アメリカ在住の26歳、ケイトリン・ハンフリーさんは昨年7月、まつエク施術中にグルーが左目に入る事故に遭遇。直後から強い灼熱感を感じ、製品の説明書通りに目を洗い流したという。
ケイトリンさんは「グルーが目に入った瞬間、まるで火傷したような激痛が走った」と当時を振り返った。
その後も痛みが続いたため病院を訪れたが、医師からはグルーによるアレルギー反応との診断を受け、抗生物質が処方された。
しかし症状は改善せず、8か月もの間、様々な検査を受けるも特に異常なしとの診断が続いた。
ところが今年3月、突如として症状が悪化した。「目に強い圧迫感があり、視界がぼやけ始めた。左目は赤く腫れ上がり、出血も見られた」とケイトリンさんは語る。
8月には左目の視力がほぼ失われ、緊急で病院を受診。そこでようやく「感染により角膜がほぼ溶解している」という深刻な状態が判明した。
角膜移植手術を受けるも拒絶反応が発生し、さらに視神経にコイン大の腫瘤が見つかった。
医師は眼球移植を提案したが、再度の拒絶反応を懸念したケイトリンさんは、眼球摘出を決断した。4時間に及ぶ手術の末、眼球を摘出し、人工眼球が挿入された。
実は、まつエクのグルーには様々な副作用のリスクが潜んでいる。
韓国消費者院の調査によると、市販のまつエクグルー21製品中19製品から、禁止物質のメチルメタクリレートが検出された。
さらに6製品からは、規制物質であるトルエンが基準値の4~10倍という高濃度で見つかったという。
メチルメタクリレートは刺激やかゆみ、アレルギー反応などを引き起こす可能性があり、トルエンは目の乾燥や充血、痛みの原因となることがある。
もしグルーが目に入ってしまった場合は、ぬるま湯の生理食塩水で最低10分以上洗い流すことが必要。その後は直ちに救急外来を受診し、角膜に付着したグルーを除去して経過観察を行う必要がある。
その際、目を無闇に触ることは厳禁。無理に目を開けたりこすったりすると、まつ毛が抜ける可能性があるほか、グルーが移動して角膜が剥離するリスクが高まる。また、感染の危険性も増大する可能性がある。