

バラエティ界の重鎮・ユ・ジェソクが、芸能人として異例となる20回目の大賞トロフィーを獲得した。初受賞から20年という節目の年に花を添える形となった。
先月29日の『2024 SBS芸能大賞』生放送で、ユ・ジェソクが栄えある大賞に輝いた。昨年4月にスタートした『暇さえあれば』をシーズン制バラエティとして定着させ、さらに放送15年を迎える長寿番組『ランニングマン』を成功に導いた功績が評価された形だ。今回の受賞で、ユ・ジェソクの大賞受賞は通算20回という快挙を達成した。
「2005年に初めて大賞をいただいた時は、まさかこんな日が来るとは思ってもいませんでした」と、ユ・ジェソクは20年という歳月を振り返った。「バラエティを取り巻く環境は年々厳しさを増していますが、そんな中でも全力を尽くしている放送関係者の皆さん、先輩・後輩の皆さんに『2024年もお疲れ様』と伝えたい」と、業界への感謝を述べた。「今は笑いが必要な時代。これからも仲間たちと共に笑いを届けられるよう頑張っていきます」と視聴者への決意を示し、最後に「私がやり遂げました」とトロフィーを掲げた。
「皆さまへの恩返しを忘れません」(2005年 KBS芸能大賞)
1991年、第1回KBS大学コント大会(公募7期)でデビューしたユ・ジェソクは、長い無名時代を経て、2005年にデビュー15年目にしてKBSで初の大賞を手にした。当時「こんな大きな賞を初めていただき、言葉がまとまりません」と語ったユ・ジェソクは、「自分の実力以上のものをいただいています。これからは皆さまへの恩返しができるよう頑張ります」と決意を述べた。
その後の20年間、ユ・ジェソクはその約束を守り続けてきた。困難に真っ先に立ち向かい、共演者を支え、数々の善行を重ねてきた。そして何より、視聴者に笑いで恩返しをしてきた。番組打ち切りが当たり前という厳しいバラエティ界で、『ハッピー・トゥゲザー』『無限挑戦』『ランニングマン』『ユ・クイズ ON THE BLOCK』など、多くの長寿番組を生み出してきた。受賞歴がすべてではないが、彼の努力の一端を物語っている。
ユ・ジェソクは初めて大賞を受賞した2005年以降、地上波3社の芸能大賞と百想芸術大賞で12年連続で大賞を獲得。その後も受賞を重ね、2022年までに計19回の大賞を手にしている。特に今回20回目の大賞となったSBSでは、2008年から2022年までに7回の大賞を受賞。『エックスマン』『ファミリーがやってきた』『ランニングマン』と、22年以上にわたり日曜の顔として活躍を続けている。
「どんな結果でも受け入れ、私が責任を持つと自分に言い聞かせています」(2020年 MBC放送芸能大賞)
『撮るなら何する?』で2020年にMBCで大賞を受賞した際、ユ・ジェソクは「『無限挑戦』の後に再び大賞をいただけるとは思っていませんでした」と語った。「どんな番組でも、必ずやり遂げられるという自信を持って臨んだことは一度もありません。いつも心の中で繰り返している言葉があります。どんな結果も受け入れ、私が責任を持つと」と胸の内を明かした。
ユ・ジェソクは長寿番組を抱えながらも現状に甘んじることなく、常に新しい挑戦を続けている。スタジオバラエティや屋外ロケなど、様々な演出スタイルに挑戦し、時には新キャラクターで視聴者を驚かせた。既存のテレビバラエティだけでなく、新メディアにも積極的に進出。Netflixの『犯人はお前だ!』を皮切りに、Disney+の『ザ・ゾーン:サバイバルミッション』はシーズン3まで展開している。
ウェブバラエティ『プレイユー レベルアップ』では、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取り、視聴者参加型の演出に挑戦。DMの使い方も分からず戸惑いながらも、MZ世代と新しい関係性を築いていった。それだけではない。「短く、もっと短く」が主流のYouTubeで、あえて1時間の雑談番組『ピンケゴ』を企画。『ピンケゴ』は独自の授賞式を2回も開催するほどの人気コンテンツへと成長した。
「私は厄年より来週の収録の方が気になります」(2023年 SBS芸能大賞)
昨年の『SBS芸能大賞』でユ・ジェソクは「私は厄年より来週の収録の方が気になります」と語り、「今年ダメなら来年、来年ダメならその次の年。私にはまだ時間があります」と述べた。結果的に受賞は逃したものの、どんな受賞スピーチよりも心に響くインタビューとなった。
もちろんユ・ジェソクも完璧な存在ではなく、手がける作品すべてが成功するわけではない。「国民MC」の称号にふさわしく、視聴者の期待は常に高い。そんな中でも彼は、ただ次の収録のことを考えながら目の前の仕事に向き合い続けてきた。これまでのインタビューで目標を立てないと語ってきたユ・ジェソクだが、「毎日与えられた仕事に全力を」という姿勢で、危機が叫ばれるたびに限界を決めることなく、黙々と行動で示し続けてきた。
初めて大賞を手にしてから20年の間、一貫して見せてきた彼の姿勢が、20回目となる今回の大賞をより輝かしいものにしている。ユ・ジェソクは、確かに「やり遂げた」のだ。