牛乳は「完全栄養食品」として知られ、多様な栄養素が豊富に含まれている。乳児も摂取でき、コーヒーにも幅広く使われる牛乳が、健康に与える影響を見ていこう。
牛乳にはカルシウムが豊富に含まれており、骨の健康維持に役立つ。特に、牛乳に含まれるカゼインやペプチドが、カルシウムの骨への吸収を助けるため、幼児の成長や中年期の骨粗鬆症予防にも効果的だ。
さらに、牛乳は歯の健康にも貢献する。歯の腐食や虫歯の原因となる酸性度を低下させ、虫歯や歯周病の予防に役立つ。もし事故で歯が抜けた場合、牛乳に浸して病院に持参することで、治療が効果的に進むことがある。
牛乳には、タンパク質、カルシウム、ビタミンB群など、脳の発達を促進する成分も多く含まれている。特に乳糖が脳機能を活性化し、記憶力や集中力を向上させる効果があるとされている。
また、牛乳に含まれるトリプトファンは神経を安定させ、不安を和らげ、心を落ち着かせる。睡眠リズムの調整にも効果的で、眠れないときには就寝30分前に温めた牛乳を飲むと良い。
牛乳は、脱毛予防にも効果がある。牛乳に含まれるタンパク質が、爪の健康維持にも役立つ。
さらに、牛乳は糖尿病予防にも優れていることがわかっている。米国の研究チームが行った調査では、成人3,736人を対象に、牛乳に含まれる脂肪酸「トランスパルミトレイン酸」の血中濃度を比較。この結果、濃度が上位20%に位置するグループは、下位20%のグループに比べて糖尿病の発症リスクが60%低かったことが確認された。
牛乳に含まれるビタミンB12は、大脳の神経組織の損傷を軽減し、認知症のリスクを低下させる効果がある。ビタミンB12は他の食品に比べて吸収されやすい特徴も持っている。